公正証書とは?
公正証書とは、公証人法に基づき、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書です。
公正証書は、契約や遺言などの一定の事項を公証人に証明させることにより、国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ、私的法律関係の明確化・安定化を図ることであり、作成された原本は公証役場に保管され、債権者には正本が、債務者には謄本が、それぞれ交付されます。
公正証書には証明力があり、執行力を有しており、安全性や信頼性に優れています。
公正証書はどんな内容でも書ける?
公正証書にできる書類は、基本的に個人の権利義務に関係するものです。
たとえば、不動産などの売買、お金の貸し借りの約束、離婚の際の養育費や慰謝料の取り決め、遺言など、法律行為に関するものが公正証書にできます。
公正証書を作成するには、本人確認書類(印鑑登録証明書、運転免許証など)や、その他の添付書類(住民票、戸籍謄本など)が必要となります。公正証書を作成する際に必要な書類は、公証人連合会によると以下の通りです。
公正証書遺言の実例
62歳と50歳のカップルさんの実例
この前、亡くなったCの相方が、住んでいた家から出ていくことになったよ。
どうして?出ていくことになったの?
一緒に暮らしていた家の名義がCの名義でCには兄弟がいたから家の権利もCの兄弟になったみたいだね。
でも、あの家は2人でお金を出し合って買った家でしょ?
名義があくまでCだから、いくら一緒に出し合ったといっても無理なんだよ。
そんな・・・
遺言書でも書いておけば良かったのかもしれないね。
遺言書?
そうすれば、残された人に財産を残してあげられるからね。
自分も書いておこうかな?
- Q上記の場合、遺言書がないとどうなりますか?
- A
万が一、Aさんが亡くなられた場合、財産はBさんではなくAさんの兄弟姉妹が引き継ぐことになります。兄弟姉妹との話し合いにもよりますがBさんは住んでいた家を出ていくことになります。
- Q遺言書というのは、自分で紙に書いておけば効果があるのですか?
- A
一定の形式に則って自分で書いた遺言書を自筆証書遺言書といい有効ですが、紛失やその遺言書の信憑性を巡って後日の争いの原因になるので当事務所では、公正証書遺言書の作成をお奨めしています。また、検認という手続きが自筆証書遺言には必要となりこの手続きは、かなり面倒です。
ただし、「自筆証書遺言書保管制度」を利用して法務局に保管してもらう場合には紛失や遺言書の破棄・隠匿・改ざん等を防ぐことができ検認の手続きも不要です。
- Q公正証書遺言書とは?
- A
公証人という法律の専門家の面前で遺言内容を口授し、その内容をもとに公証人が証書を作成する方式で正確な遺言内容を法律的に反映できると共に遺言書の原本は公証人役場に保管されるので安心です。公正証書遺言書の場合には、検認の手続きが不要です。
公証人を間に入れることで実際に遺言書の執行を行うときに遺言書の信憑性を疑われるなどの可能性が少なくなります。
- Q公正証書遺言書を作成するには?
- A
まずは、遺言の内容である「誰に」「どの財産を」渡すのか?という内容を確定することが大事です。次に公正証書遺言の作成には、証人2人以上が求められるので証人の選定を行い、公証人との打ち合わせを重ねて遺言内容を整理していきます。そして、日時を決めて遺言書の正式な作成となります。また、実際に遺言を執行するときのために遺言執行者を定めておくことをお奨めします。
- Q「証人」というのは、誰でもいいのですか?
- A
証人には誰でもなれるわけではありません。推定相続人や遺贈を受ける者、配偶者や直系血族、未成年者は、証人になれません。
- Q公正証書遺言書の作成に必要な必要書類はなんですか?
- A
①遺言をされる方ご本人の印鑑証明書(発行から3ケ月以内のもの)
②証人になられる方2名の氏名、住所、職業、生年月日を書いたメモ又は住民票(当事務所でお受けする場合には、住民票でお願いをいたします。)
③財産をあげる相手が相続人の場合にはその方の戸籍謄本、相続人でない場合には住民票
④財産に不動産が含まれる場合、その登記簿謄本(権利書は不可)と固定資産税評価証明書
⑤現金預貯金については、概算を記したものおよび預貯金先・口座番号などを記したメモ
⑥遺言執行者を指定する場合には、その人の住民票
- Q遺言執行者とはなんですか?
- A
遺言執行者とは、遺言者の代わりに遺言書の内容を実行していく者のことをいい遺言書の中で定めることができます。遺言執行者を指定することで遺言書の実行がスムーズに行われ後日の紛争リスクが軽減されます。